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  ウエディングプロデューサーのHitomiごと  Vol.11
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1月も後半に入りましたが、皆様、明けましておめでとうございます。
2002年、皆様にとって、いいこといっぱいありますように!

2002年の一回目なので、初心に返って書いてみました。

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 プロデューサーのきっかけ
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ウエディングプロデューサー、というと、華やかな職業を
思い浮かべる人も多いかと思います。
確かに、人生のもっとも幸せな日をお手伝いできるこの職業は
やりがいもあり、楽しくもあります。
ですが、一生に一度、という呪縛により、
「確認」という基礎的な作業がもっとも大切な職業です。

私が結婚の仕事をしたいな、と思うようになったのは、
25才のときでした。
北海道の披露宴は会費制のため、どこか気軽さがあり、
会社の人の披露宴には、社員全員を呼ぶくらい大勢人数になります。
100人の披露宴は、どちらかというとアットホームなほうです。
そんなですから、私が25才になったときには、もう20回ほど
披露宴に列席していました。
(自分のはうーんと後になってしまいましたが・・・)

何回も披露宴に出席すると、流れがだいたい分かります。
お色直しで出たお嫁さんがそろそろ帰ってくるころだ、とか
そろそろ花束贈呈だからハンカチを用意しなくちゃ、とか・・・
まず「なんで披露宴って皆一緒なんだろう」と疑問を感じました。
そして、この仕事につきたい!と思った決定的な事件(ちょっとオーバー)
が3つありました。

ひとつは、会社の先輩から余興を頼まれたときのことです。
皆で一所懸命練習していざ、本番!
なんと先輩はお色直しのために、席をはずしてしまったのです。
司会者からは「この模様はビデオに撮っており、
新郎新婦は後でゆっくり拝見します」とコメントが。
なんだか解せないものを感じた私は「婚礼を仕事にしたら
絶対新郎新婦がいない間の余興は入れないでおこう」と心に
決めました。

2つめは、遠い場所での披露宴で、わざわざ出掛けていった
のに、新婦と一言も会話ができなかったこと。
送賓(お帰りのお見送り)の際も、カメラをかまえていた
私たちに、介添え人より「時間がないので、新婦はここで失礼
します」と衝撃のコメントが。
新郎新婦と出席者がコミュニケーションの取れない披露宴に
うんざりしました。

3つめ、そんな折、友人の披露宴でスピーチを頼まれました。
その披露宴で、席札とともに友人から「スピーチよろしくね」と
手書きのメッセージが。緊張していた私の肩の力が抜け、
涙がでました。「あーこういう感動を、いろんな人に教えてあげたい!」
と、おせっかいおばさんの心境になったのです。

そのころの北海道にはまだ、「オリジナルウエディング」なんて
いう言葉は広まっていませんでした。もちろん
「ウエディングプロデューサー」なんていう言葉を知る由もありません。
でも、ウエディングの仕事につきたい、やるなら自分で、
と電話帳に広告まで出した無謀な私の前に、一冊の雑誌が
救いの手を差し伸べてくれました。
私は社長秘書をしていましたが、それは、社長宛に届いた、
企業のトップ向けの雑誌でした。
私の目に飛び込んできたのは「オリジナルウエディングを手がけて
成功している」という文字。早速コピーし、その日のうちに
熱い思いを手紙に託しました。その企業の社長宛に、親展で
手紙を書いたのです。

決して小さくはない会社の社長から、私宛に電話が来たのは
それからすぐでした。そして、上京・・・
あれから10年のときが流れました。
社長が電話をくれなかったら、今の私はありません。
社長には、今も感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、この仕事に10年ついて、一つ、分かったことがありました。
それは、「皆同じ」と思った披露宴は実はそれぞれが
ちゃんと考えられた演出であったこと、そして、新郎新婦が
違えば、同じ進行でもそれぞれに二人らしさが出せる、ということです。
友人の披露宴に文句ばかりつけていた私ですが、思い起こせば
引出物やプロフィールなど、結構皆考えていたし、苦労していたのです。

「心のこもったおもてなしがしたい」と、最近の新郎新婦は語ります。
そう、思いやりなんだ、ということが分かったのは、プロデューサーに
なって3年も経ったころです。
演出に凝るよりも、二人らしいおもてなしを、そのために
プロデューサーは影となり、二人が安心して笑顔の披露宴が
できるように努力しなくてはなりません。

私もプロのプロデューサーとしてはまだまだ修行の身。
「思いやりウエディング」を提唱しながら、この先、もっともっと
頼られるプロデューサーになりたいと思っている今日この頃です。
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発行者:Hitomi
Hitomi Produce
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