手抜き主婦ヒトラー第4話

手抜き主婦。人は私をそう呼ぶ。先日子持ちの友人に「できれば
したくない家事は?」となぞなぞのような質問を受けた。私はありと
あらゆる家事を例に挙げたが、その友人は3度の食事だという。
毎日毎日何を作っていいか、頭を悩ましているのだそうだ。それは
きっとちゃんと作っているからよ、といいかけて、言葉を飲みこんだ。
我が家は毎日できるだけ時間のかからないメニューを料理ブックから
選んでいる。夫がお弁当派なので、ほとんど毎日つくる。が、朝が苦手
な私にとっては苦痛で仕方がない。で、晩ごはんのおかずを取って
おくという、安易な手抜き策を講じている。よって、晩のおかずはお
弁当になり得ることが条件になる。最近はなり得そうになかったカレー
でもこそっと挿入させたりしている。それでも夫は作ってくれなくなると
困るのか、毎日けなげにお弁当を持っていき、きれいにたいらげて
くる。でもそれは友人には言えない。だって、私がヒトラーだということは
皆に内緒なのだから。