手抜き主婦ヒトラー第52話
「大好き、だけどうざい」

夫は妻が大好きだ。

こんなことを言うと「もう、ごちそうさま〜」って言う素直な人、
「案外、他で遊んでるかもよ〜」と言うやきもち焼きな人、
「うちのところもよ〜」と自分のことを話す人、と
だいたい3パターンに分かれる。

ここの読者なら、ヒトラーの手抜きぶりに驚愕したり、あるいは共感したり
あるいは呆れ返ったりしているだろうから、信じられないかも知れない。
でも、夫は妻が大好き。
それが、最近本当に、手にとるように分かる。

我が家は、すれ違い夫婦。
夫は土日お休みで、妻は土日に仕事。
一緒にいる時間は少ないけど、その分、一緒にいるときは仲良し。
それは、いい。

暇さえあれば、電話またはメールしてくる。
(そばにいるのに、メールしてくることもある)
一緒にいれば、まとわりついてくる。
妻のお休みの日には、超特急で帰ってくる。
朝の通勤を、一緒の時間に行きたがる。
通勤のとき時間が少しでもあれば、途中下車してでもお茶をしたがる。
気に入ったそば屋を見つけると、遠くでも妻を連れていきたがる。

愛されているのが分かるのは、幸せでもある。
妻も、夫が大好きだ。それは事実。
でも、正直、うざい。

夫婦だからって、いつも一緒はうざい。
妻は、物事になんでも集中するほうで、集中力がとぎれるのが嫌い。
集中しているときの夫からのメールは迷惑極まりない。
遅くまで残業するのが好きな(というか仕事が遅いのだけど)妻は
夫のことを考えずに仕事に集中したい。
(でも、メールが来ないと、寂しい・・・女はわがままな生き物だ)
妻は5回に1回くらいしか、メールを返信しない。

夫は、最近勘付いて、「あんた、うざいんでしょ?」と
言うようになった。
機嫌のよいときは「ぜんぜん」と答え、血圧の低いときは
「そうだね」と答える。(すると夫はすごいショックな顔をする)

そして、ラブラブなメールを送りつけては
「迷惑メールです」とか、「うざいかこ(夫の愛称)でした」とか書いてくる。

本当に夫はかわいい、とっても大好き、そして、うざい。