手抜き主婦ヒトラー第42話
「人に厳しく自分に優しく」

手抜き主婦。人は私をこう呼ぶ。大掃除。昔は家族の行事だったように
記憶しているが、2人きりだと主導権を握ったもの勝ちになる。
夫は自ら進んで掃除をしてくれるタイプでは決してない。しかし
言われないとしないけど、言われたら文句言いながらもやってくれる。
そこが昔の父親とは大違い。掃除の仕方はO型らしく大雑把。
実はヒトラーもO型の大雑把で、毎日マメに、が向いてない。
大掃除当日、いつまでも寝ていたい夫をたたき起こし、号令をかけ
いざ、掃除スタート。妻はキッチンとリビング、夫は玄関、窓という窓と
ガラスというガラス、お風呂、ベランダ。妻はこまごましたもの(ここで女を出す)、
夫は大掛かりなもの。どっちが重労働かはご想像いただけることだろう。
その上、妻は夫の仕事が終わったあと、チェックに回る。汚いところは
やり直し。さすがの夫もキレてくる。だって、「なんでこんなに汚いの?」
っていうのは、実は夫が言いたかったセリフだから。
妻もそこらへんは賢くて、たまに誉める。飴と鞭。夫は誉められると
調子に乗るはず。3回までは。。。年越しそばの支度は夫にまかせて
また誉めようっと。
こうしてヒトラー家の大晦日は更けていく。ゴーン、ゴーン