手抜き主婦ヒトラー第37話
「ピーマン」

手抜き主婦。人は私をこう呼ぶ。我が家の食卓には決してピーマンは出て
こない。チンジャオロース、酢豚、ピーマンの肉詰め、その他もろもろは
作ったことがない。ピーマンなんてこの世になくても困らない。ついでに
セロリにレバー、にらに春菊、こんな食材はなくてもへっちゃら。食べるか
死ぬかと言われたら死んでやる!と思うほど決意は固い。
ところが困ったことに、夫の実家の母がピーマン大好物なのである。
実家に行くと、3回に1回はピーマン料理が登場する。「ねぎは嫌い」は
覚えててくれているらしいが「ピーマン嫌い」はとうとう言い損ねてしまった。
全く手をつけない手もあるが、優しい母上様は「これ美味しいよ」と
ピーマンをごま油だけで炒めた最悪の献立を朝っぱらからヒトラーの
前に置いてくれたりする。まさか鼻つまんで食べるわけにもいかない。
さて、どうしたか?とりあえず1本食べ、白米かっこみ「お腹いっぱい」と
至福顔。今年もまた帰省の季節がやってきた。対策急募。