手抜き主婦ヒトラー第22話

手抜き主婦。人は私をこう呼ぶ。「あれー、卵がない!」「カボチャサラダ昨日全部
食べちゃったの?」。最近、できるだけ買い物にいかないようにしている。買い物に
行くとお饅頭だのプリンだの、つい手が出てしまう。TVで言ってた「お腹が空いて
いるときに買い物にいくと余計なものを買ってしまうので、お腹いっぱいの時に行き
ましょう」を教訓に、残り物を煮込めばなんとかなりそうな時は外出しないことにした。
夫のお弁当は前の日のおかずが中心なのだが、全部食べてしまうこともある。取り分けると
洗うお皿が増えるので、余してもらっているのだ。そんな日に限って頼みの冷凍食品も
切れている。とりあえずウインナーを茹で、肉を焼く。これでは肉類ばかりだ。知恵を
絞って、ミックスベジタブル活用のマカロニサラダで隙間を埋める。そして出来あがったら
夫の冷たい視線を感じながら、ドラエモンがポケットから何か出すような口調で
「手抜き弁当ー」と叫んでみる。